ステンドグラス

イエス・キリストに選ばれ、派遣された12人の使徒、
その足跡、宣教、または殉教などを聖書・聖人伝等を参考として、
使徒それぞれの特徴をとらえ、聖堂側壁の12の窓に表現しています。
使徒の順序は祭壇左上の窓を聖ペトロの窓とし、
左へマタイ福音書10章に書かれた順序に従って、11使徒、最後(祭壇右上)に、
 主を裏切ったユダに代わって選ばれた使徒聖マティア、と計12使徒となっています。

使徒聖ペトロ
使徒聖ペトロは、12使徒の代表的人物である。
「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。
陰府の力もこれに対抗できない。
わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。」(マタイ16:18~19)

 


使徒聖アンデレ
使徒聖アンデレは、イエスの最初の弟子であり、使徒聖ペトロの弟である。
主の昇天の後、彼はバルカン半島に渡り、
黒海沿岸や、南ロシアまで布教したと伝えられる。
その後、ギリシャで布教中、
総督エゲアスの命令で、パトラスという所で殉教した。
その処刑に使った十字架は斜めになったX型の十字架であった。
紀元60年頃の11月30日と伝えられている。

 


使徒聖大ヤコブ
使徒聖大ヤコブは、使徒聖ヨハネの兄である。
聖霊降臨後、ユダヤ、サマリアの諸地方へ積極的に福音を伝え、
多くの人々に洗礼を授けたが、
その後、ヘロデ王にとらえられ、首を斬られて殉教した。
遺骸はスペインに運ばれ、現在も墓所のあるコンポステーラは
毎年多くの巡礼者が訪れる。その巡礼者がつける紋章がホタテ貝である。
祝日は7月25日

 


使徒聖ヨハネ
使徒聖ヨハネは、使徒聖大ヤコブの弟であり、ヨハネ福音書の著者である。
彼は、エフェソで紀元100年、94歳に近い生涯を終えた。
黙示録第4章に書かれた4つの生き物は、福音記者4人の象徴とされているが、
その第4の空を飛んでいる鷲がヨハネの象徴である。
祝日12月27日には「聖ヨハネの愛を飲め」と言って、
聖別されたぶどう酒が配られる習慣がある。

 


使徒聖ナタナエル(バルトロマイ)
イエスは「わたしは、あなたがフィリポから話しかけられる前に、
いちじくの木の下にいるのを見た」と言われた。
ナタナエルは答えた。「ラビ、あなたは神の子です。
あなたはイスラエルの王です。」 (ヨハネ1:48-49)
彼は後にアラビアからインドで宣教に活躍し、多くの人々をキリスト教に改宗させた。
しかし、他宗教の祭司たちの恨むところとなり、アルバノポリスという町で、
全身の皮をナイフで剥がれ殉教した。
祝日は8月24日

 

使徒聖フィリポ
使徒の5番目にあげられる、使徒聖フィリポは、イエスに発見されて従うものとなった。
フィリポが主を求めたのではなく、主がフィリポを求められたのである。
主が彼に期待をかけられたためであろう。
晩年ギリシャからアジア地方に布教に出かけ、立派な成果を上げたといわれる。
彼の象徴は十字架の杖、または、主がパンの奇跡をなされた時のかごである。
祝日は5月3日

 


使徒聖トマス

使徒聖トマスは、他の弟子から主の復活を聞いても、主を自分の目で見、
その傷あとに手でふれてみるまでは絶対信じない。と言い張っていたが、
主の出現にあうと、思わずひざを折って「わが主よ、わが神よ」と叫び、
それ以来、良い言葉と模範とを持って、主の復活の証人となった。
能登に南インド方面に福音宣教に出かけ、多くの成果を上げたと伝えられる。
彼の象徴は建築用の定規である。主の傷に手をふれているところも表現した。
祝日は7月3日

 



使徒聖マタイ
「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」(マタイ9:13)
当時罪人視されていた税吏マタイに、
イエスは「わたしについて来なさい」とおおせになった。
彼は一切を捨てて立ち上がり、イエスについて行った。
マタイ福音書は、旧約の預言をしばしば引用して、キリストが「われらと共にいます神」
であることを強調している。税吏の象徴は財布である。
祝日は9月21日

 

使徒聖小ヤコブ
使徒聖小ヤコブに関しては、アルファイの子ヤコブとして12使徒に選ばれているが、
その例外には聖書の記述がない。
窓には主キリストを中心として、12使徒をそれぞれ色によって表現し、
その9番目に、頭文字「J」によってあらわした。
祝日は5月3日

 

使徒聖ユダ
使徒聖ユダは聖書の中には、イスカリオテでない方のユダ、と書かれ、
ヤコブの兄弟とされている。
主の昇天後、彼はユダヤ、シリア、小アジア、アラビア、
その他広範囲にわたって布教したといわれる。
象徴は帆かけ舟である。
祝日は10月28日

 


使徒聖シモン
熱心党のシモンと呼ばれる、使徒聖シモンは、
当時の社会における過激思想を持つ熱心党に所属していたが、
12使徒に選ばれ、主と日夜寝食を共にして、
その高潔な人格に触れているうちに彼は、自分の人格も思想も全く変えられ
別人になっていくのを感じた。
後に彼は広く、エジプトやペルシア、メソポタミアに伝導したと言われ、
ペルシアのスアニルという町で、魔術師たちによって鋸で引かれて殉教したと伝えられている。
祝日は10月28日

 


使徒聖マティア
イスカリオテのユダの裏切りによって1人欠けた使徒にマティアが選ばれ、仲間に加えられた。
使徒マティアは主イエスが、ヨハネの洗礼のときからはじまって、
使徒たちを離れて天にあげられた日まで使徒たちと行動を共にしていたことは言うまでもない。
彼は後にエチオピアに布教したが、石打ちにされ、十字架にかけられ、
その上首を斬られて殉教したと伝えられる。
祝日は5月14日